オステオパシーとは

カークスビルにあるA.T.Still像

日本には鍼灸・あんま・指圧のような東洋医学やマッサージ、柔道整復師が補完医療として国に認められています。

日本には、この他にも様々な整体やリラクゼーション療法といわれる民間療法が数多く存在しています。

オステオパシーもこのような民間療法の1つと考えられがちですが、発祥の地・アメリカでは医師の権限が与えられ本物のドクターとして活躍しています。

また、イギリスやフランス、オーストラリアなどの欧米でも補完医療の1つとして国から医療資格が与えられています。

しかし、現在の日本では欧米のようにオステオパシーが国に認めれてていません。早くオステオパシーが認められ、きちんとした教育水準が定まる事が望まれています。

オステオパシーは1874年、アメリカ人医師であるアンドリュー・T・スティル博士によって発表された医学です。

自分の妻と子供3人を髄膜炎で亡くし、当時の投薬治療に疑問を感じたDr.ステイルは、人体の持つ自然治癒力に着目し長年に渡り研究を重ねてきました。

中でも人体を構成する骨や筋肉、靭帯、内臓、神経、血管などの構造と、その働きには密接な関係がある事に気がつき、解剖学、生理学、病理学を基にオステオパシーを考案しました。

また、Dr.スティルは、体だけで人間は生きているのではないという認識もあり、「Body・Mind・Spirits」つまり「心・体・魂(精神)は一体であり、どれも切り離して別々に考える事はできない」という見方もしていました。

オステオパシーとはテクニックではなく、「考え方」が大切であり、創始者のDr.スティルは、自らの方法がオステオパシーと捉えられる事を嫌い、テクニックの教授をほとんど行ないませんでした。

その結果、数多くのオステオパシー医師が、オステオパシーの考え方を基礎に多種多様のテクニックを考案し、状況に応じたテクニックと知識の選択を可能にしました。1つのやり方に捉われないのがオステオパシーの良さの1つと言えます。

Dr.スティルのオステオパシーの原理

1、構造は機能を支配する。

これは現在では「構造と機能を相互関係にある。」となっており、「形によって機能は決められている」「機能によって形が決められている」という事です。飛行機は飛ぶ構造をしているから「飛ぶ」という機能があり、車は道路を走る構造だから「飛ぶ」という機能はありません。人間の身体も同じで、「機能にあった構造」「構造にあった機能」をしています。

そして、骨が変形をすれば機能が変化し、機能が変化すれば骨も変化してしまいます。つまり、機能を損なえば構造も変化するし、逆に構造が変化してしまえば機能も変化してしまうという事です。

 

2、 体は自分自身で治る力を持っている

これは自然治癒力のことを指しています。
皆さんは、病気になった時、お医者さんに行って薬をもらいます。そして、薬で治していると思う方がいらっしゃると思います。
しかし、この考え方は間違いであり、薬は体の回復を助けてくれる手段の1つであり、本当に治したのは自分自身の治癒力や免疫力によって回復しています。
オステオパシーではその回復力を高める事を目的に施術を行っていきます。

 

3、 動脈のルールはすばらしい

ここでは「動脈」としていますが、要するに血液、リンパ液、組織液、漿液(しょうえき)、脳脊髄液(のうせきずいえき)というように体液(たいえき)すべてを指します。「人間の体は約6~7割が水分である。」といわれており、この体液によって栄養や老廃物の運搬、体の情報伝達をおこなっています。支障のない体液の循環(じゅんかん)が健康には必要不可欠となります。体のバランスの崩れや異常な筋肉の緊張は体液循環をさまたげ、老廃物の停滞、栄養不足、正常な情報伝達の妨害につながります。
※体液を通じた情報交換はホルモンによる体の調整があります。

 

4、 体は1つのユニットである。

現在のオステオパシーの原理で最初に出てくる言葉です。
Dr.スティルのいう「Body・Mind・Spirit」と解釈できます。
体は全体で1つとしてとらえなくてはいけないという事であり、体は全てがつながっている為に体を部分的に切り離して考えてはいけないという事です。
患部だけを治療しても良くならないという理由はここにあります。
「感情」「精神」というように心の状態も含めて体を1つとしてみていく必要があります。

 
 
 

 
 
 
 
 

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